5月、6月に読んだ本を覚えている範囲で。
実は岩波新書のシリーズが好きなのです。
年代によって装丁の色が異なりますが私は青色の版が一番好きです。
古本屋さんに行く度にちょっとずつ買い込んだりしているから岩波新書で読んでないものが結構家のspaceをとっている。古本だと安いからね~。買っちゃいますよね。
この本は私にとって結構硬いかなというイメージでした。古典の知識を基にしているのでなかなか入っていき辛い。全体を理解するというよりも節々の「あっこれおもしろいな」という情報を取得できればいいのかなと思います。
少し話がずれますが、漢字のデメリットとして言葉の語源を不鮮明にするという点があります。例えば「送る」と「贈る」や「記す」と「印」など。漢字で書くと別物みたいですが本当は恐らく同じ語原なんですよね~。読みながらそんな話を考えていました。
自国の文化に興味を持つことはいいこと!!
『インドで暮らす』 石田保昭著 岩波書店
インドで実際に暮らした日々の滞在記です。著者の給料は少なく、インドの市井の人々の生活となままに溶け込むために経た厳しさ、喜びの記録です。
著者は何をするにもお金を騙し取られたらしく、前途多難の初日でした。頼んでいた宿泊施設の予約が当日取れていないと言われ、泊まる場所もなく……。外国籍と見なされるとtaxiに乗っていてもわざと遠回りして料金を嵩増しして請求されます。
其れは著者が観光客としてでなく現地民として生活しようと志した為です。
インドの生活の楽しさと共にインドの人々がもつ無気力・怠惰・猜疑心・二面性といった側面も提示しています。いや寧ろこの部分の露出の方が多いかな。
でもね。なんか楽しそうなんですよね。
著者が今までに又は学生時代に読んだ本がまとめてあります。「源氏物語」や「伊勢物語」,「荘子」や「墨子」など古典や漢文に対する造詣も深くてびっくり。
古典や漢文を素養として読むという経験がとても素敵だなと感じました。とても人間としての余白を感じます。机に座って本を読む心地よさがだんだん減じられてきているのかなとふと思いました。
『わたしはロボット』 アイザック・アシモフ著 創元社
SF小説の中でとても有名なものの一つです。多分。
ロボット三原則が出てきます。恐らくロボット三原則を始めて規定したのはこの小説ですよね? ?
娯楽本でロボットを主題にした短編集になっています。一つ一つの短編の密度が濃く、またオチも華麗にまとめられています。SF小説というよりも伏線が巧妙に張られている分ミステリー小説に近いかなという印象を受けました。SFに興味が無い人が読んでも楽しめると思います。
最近、萩尾望都さんがレイ・ブラッドベリの原作を漫画化していたことを知りました。
アンデルセンの童話の透明性が私は好きで。
子供の頃「絵の無い絵本」も読んでいました。イソップ童話のように訓話的でなく、グリム童話のようにカチッとした民話的でなく……。何だか旅路を流れる儚さを感じるのです。
其の不完全性あるいは抽象的な構造は欠点ともとれるのですが……。
アンデルセンの描いた挿絵と小説家カフカの描いたスケッチ(あまり知られていないけど)に類似性があって少し安心している。
決して巧くないから。
でもとっても好きな絵です。
『罪の声』 塩田武士 講談社
この4冊は知り合いの方が面白いよって言って貸してくれたものです。
最近のミステリー小説が実は少し苦手で……。読んだあとに気分が悪くなるものがあったりするので……。なので4冊まとめて感想を書いてしまいます。
此の4冊の中だと『手紙』と『流星の絆』が面白かったかなという印象です。
ただミステリー小説に対する苦手意識はまだ払拭できていないですね。むー。
G・K・チェスタトンやエラリークイーンの国名シリーズは好きなんですが。
ミステリー小説が好きな人からの反感を買うことが目に見えています。
・昔から今までの奔流の中で小説の内容も大分変わっている気がして。ただの懐古主義と言われればおっしゃる通りなんですが、刹那的でentertainment性を過剰にした書き方が多い気がします。私は小説の定義として、本の中で完結ではなく本を閉じた後も読者の人間生活に関わってくるものという要素を容れているんですが、そんな出会いが少なくなってきたかな~と感じるのです。其れは私の感性の問題でもあるんですが。
この前、book-offで岩波文庫の解説総目録が100円で売っていました。
自分のペースで読んでいけたらいいな。そして読んだものを表現していけたらいいな。
学校から図書室が無くなるというニュースを見てショックでした。
好きだった古本屋さんが閉店したことを知って悲しく思いました。
ねえ。休みの日くらい本を読ませてよ。ねえ。
これから これから