広大な大地は赤々として限りがなく、
蒼穹は悠長に青々と繁っている。
生命の挽歌。
若しも私が百万光年の道のりを歩くとしたら、
たった一つの失敗や成功にくよくよしても仕方がないだろう。
コップの水が零れたからといって、若しくは足りないからといって
焦ったり嘆いたりしないだろう。
寧ろ継ぎ足された生命の遠路を、両腕で愛するだろう。
君が歯を見せて笑った時、糸切り歯の間には黄色い蒲公英の花弁が挟まっていた。
私は此の広大な宇宙の軌道を旅する時
決まって君の不器用な歯並びを思い出すんだ。
水槽越しに眺める室内装飾のように
曖昧なはにかみを私も残しておきたい。
何時か天文学的確率でrendez-vousする日々を楽しみに待って。
宇宙デブリの合間を緩慢に泳ぎながら………。